社内情報をもっとわかりやすく
はじめまして。
この記事は、裏 法務系 Advent Calendar 2022 - Adventarの7日目のエントリーです。
GenSさんからバトンをいただきました。GenSさんの記事はこちら「新卒インハウスって、どうだった?|GenS|note」です。
初めてエントリーしたのですが、無謀な事をしてしまったと涙しております。
さて、本日のテーマですが、社内情報についてです。
社内には情報が溢れていて、多くの情報群が存在すると思います。
でも、必要な人の元に届かないこと、必要な情報にたどり着けないことが多いです。
大量の情報がデータベースを形成する中で、どうしたら必要な人に届きやすくなるだろうと職場に居て考えた事を書こうと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
- 1. 情報が蓄積されていく
- 2. データベース化する理由
- 3. データベースを作ったぞ!後で見た?
- 4. 使われるデータベースと使われないデータベースの違いは?仮説検証してみる。
- 5. 有効活用できるデータベースとするための工夫
- 6. おわりに
1. 情報が蓄積されていく
社内でも社外でも、情報はいたるところに存在し溢れています。
「データベース」はIT用語でいうと「コンピュータ上で集積・整理された情報群」ですが、本日の話ではアナログデータの集まりも扱いたいので、以下の要件を満たすものを「データベース」として書かせていただきます。
(1)情報が保存されている
(2)複数の情報がある
(3)保存されている情報が引き出せる
以下全て「データベース」と考えています。デジタル・アナログ混在です。
サーバー、フォルダ、グループウェア、Slack、Twitter、LINE、ブログ、e-Gov、六法、Amazon、ストレージサービス、アルバム、辞書、手紙の束、新聞、区報、書店、図書館、歩く辞書みたいな人物・・・
2. データベース化する理由
データベースを作る理由は「後でその情報を使いたいから」です。
自分が後で使いたいから、人に見せたいから、「(3)情報が引き出せる」の形式で保存します。
不要な情報は「(3)情報が引き出せる」の形式にする必要はありません。
後で見たいからAmazonで「欲しいものリスト」というデータベースを作成し、スマホで写真を撮り、学校のおたよりを「後で見る」の箱に入れておきます(見忘れるけど!)。
経理に出すレシートの束や、手紙の束は「データベース」です。
後で見ることが予定されずに、レシートや手紙やおたよりが集まっていたら?そこはゴミ箱です。
3. データベースを作ったぞ!後で見た?
「あとで見るから取っておこう」「この情報を共有できるようにしよう」という思いの元、データベースは作成されるのに、思っていたようには活用されない事が多々あります。
「活用される」ということは、「閲覧される」ということです。閲覧されるために「(3)情報が引き出せる」の形式にしたのですから。
「活用される」ということは「閲覧される」ということですが、「有効活用度」は必ずしも「閲覧頻度」ではありません。
頻繁に閲覧されるデータベースは当然素晴らしいですが、例えば年賀状の住所録は年に一度しか使わなくても「有効活用されている」と言えるデータベースです。
4. 使われるデータベースと使われないデータベースの違いは?仮説検証してみる。
有効活用されるデータベースと、そうでないデータベースの違いを、仮説を立てて考えてみました。
仮説1:活用されるデータベースは「頻繁に情報が更新されている」
ブログやYouTubeで考えると、確かに更新されていないブログは閲覧件数が下がります。
しかし、辞書は更新が頻繁ではありませんが、有効活用されます。六法しかり。e-Govしかり。
「年賀状用住所録」もめったに更新されませんが、有効活用されています。
仮説2:活用されているデータベースには、「目的の情報が入っている」
欲しい情報があるデータベースは確実に閲覧します。
私がよく閲覧するのはブログ「白ごはん.com:おもてなしから基本まで いちばん丁寧な和食レシピサイト」です。ここのレシピ大好きです♪「絶対おいしいレシピが入っている」データベースです。
きれいに整えられている夫の「プロ野球チップスカード」バインダーは全く見ません。
ダイレクトメールが束になって来ても見ません。
欲しい情報じゃないから。
仮説3:活用されているデータベースは、「目的の情報があると認識できる」
「食べログ」なら「飲食店情報があると認識できる」のでお店探すときにアクセスします。
「食べログ」に「ヒートテック情報があると認識できない」ので、ヒートテック探したいときにはアクセスしません。
「UNIQLOサイト」には「ヒートテック情報があると認識できる」ので、ヒートテック探すときはアクセスします。
「白ごはん.com」には「レシピがあると認識できる」のでレシピ探すときにアクセスします。
「欲しい情報があるか否か不明」なデータベースは暇な時の宝探しならするかもしれません。
ドン・キホーテ覗く感じ?
せっかく良質な情報が保管されていても、「この中にあるよ」が認識されないと、無いも同然です。
仮説4:活用されているデータベースは、「目的の情報をすぐ探し出せる」
自分の欲しい情報がここにあるのは確実だけど、見つけるのに手間がかかる。
そういう場合は、アクセスに二の足を踏みます。
データベース内を検索してもヒットしないとか。反対に沢山候補が出てきたとか。
検索しながら、「誰かに聞いちゃった方が早いかな~~~(他の情報源を使おうかな~~~)」と思います。
溜めてしまった学校のおたよりから明日提出のものを探し出すとか・・・。諦めそう・・・。(いや、探せ!)
UNIQLOサイトで「女性物・長袖ヒートテック・黒」はすぐ探せます。なんだったら店頭で探すよりみつけやすい。だからヒートテックをすぐ買いたかったらUNIQLOサイトにアクセスします。
探し出せない情報は存在しない情報と同じです。
仮説5:活用されているデータベースは、「目的の情報が信頼できる情報として存在する」
e-Govに掲載されている法令は「信頼できる情報」です。10年前の六法は現在と同じ部分と異なる部分が混在しています。
電化製品付属の取説は「信頼できる情報」です。個人ブログ掲載の電化製品のメンテナンス方法は玉石混交です。
まずはe-Govを見ます。まずは付属の取説を見ます。
仮説6:活用されているデータベースは、「目的の情報が分かりやすい状態で存在する」
同じ情報を掲載しているデータベースが複数あった場合、「分かりやすい情報がある」データベースを閲覧します。
法改正についての情報が複数の場所から発信されていた場合、正確であることが担保されていれば当然分かりやすいデータにアクセスします。
入手した情報が「分からない・使えない」情報であれば、せっかく入手しても活用できないわけですから、アクセスして入手する意味がなくなってしまいます。
上記のように、「有効活用されるデータベース」は以下と想定しています。
- 「目的の情報が入っている」
- 「目的の情報があると認識できる」
- 「目的の情報をすぐ探し出せる」
- 「目的の情報が信頼できる情報として存在する」
- 「目的の情報が分かりやすい状態で存在する」
5. 有効活用できるデータベースとするための工夫
前述の要件を満足させれば良いデータベースを用意できるのではないかと考え、
私が社内で行っている工夫をご紹介します。
「目的の情報が入っている」とするために
情報を目にした人が、「これは私が欲しい情報だ」と認識できるように、タイトル、掲載場所に気を配ります。
タイトルでターゲット(対象読者)が「自分にとって必要な情報だ」と認識できるようにしています。
- 良い例:文書タイトル「引っ越すときは」
引っ越そうとしている人が「自分に必要な情報だ」と認識できます。
引越予定が無い人は「自分は読む必要が無い情報だ」と理解できます。
タイトルで誰にとっての必要情報であるか明確にしています。 - 良い例:トイレのドアに「故障中」の張り紙
「トイレの右の個室が故障中です」こんな情報はグループウェア上に掲載する必要ありません。
故障したトイレのドアに貼っておけばよいのです。
この情報が必要な人、必要な時というのは、トイレに来ている人ですから。 - 悪い例:文書タイトル「連絡事項」
よくあるタイトルですが、タイトルだけ見ても何の情報なのかわかりません。
自分に必要な情報であるとは思えません。
私はきっと開かない。 - 悪い例:文書タイトル「地震対策」
耐震工事の話なのか、避難訓練の話なのか。総務部用資料なのか、全従業員宛情報なのか分かりません。
やっぱり私は開かない。
「目的の情報があると認識できる」とするために
- データベースそれぞれの目的を明確にします。「ここに行けば人事からのお知らせがわかる」とか「ここに行けば製品情報がわかる」とか。
「なんでも情報箱」みたいに「なんでも入れる場所」とすることは禁じています。
時々、自分の備忘録を全社公開DBに保存する方が出てくるのですが、見つけたら移動をお願いしています。
雑多な情報が入ると、DBの目的がわかりにくくなるためです。 - 社内宣伝します
新人研修や、全社会議などの機会には宣伝をします。
問い合わせをいただいた場合には、「〇〇DBに掲載していますが・・・・」と「ここにあるんだよー」を宣伝したうえでご説明するようにしています。 - タイトルを分かりやすく
前述しましたが、判りやすいタイトルを心がけます。
「目的の情報をすぐ探し出せる」とするために
- 棚卸
掃除の基本は捨てることから!断捨離!
不要な情報は削除します。「目的の情報が入っている」「目的の情報があると認識できる」「目的の情報が信頼できる情報として存在する」にもつながりますが、不要な情報があるとDBの目的もあいまいになりますし、探しにくくなりますし、情報の信頼度も落ちます。 - 分類
ざっくりとしたカテゴリ分けをします。
検索で探すことが多くなりますが、検索キーに悩む場合はざっくりカテゴリから探せるようにと考えています。 - 減らす
不要な情報は当然捨てますが、必要情報も件数を減らします。
類似の情報は1文書にまとめるようにします。
検索した際に複数情報が検出されると、どれを読んでいいのか分からなります。
1文書にまとめて、1文書の中で分けて書くようにお願いをしています。
「目的の情報が信頼できる情報として存在する」とするために
- 定期的な棚卸
「この情報古くない?」「今もこれでいいの?」とならないように、定期的に棚卸をします。
皆さんに有益な情報を発信しようと、情報を作成する方は多いですが、発信した後に発信した情報の存在を忘れる方はよくいらっしゃいます。実は私もです・・・。「あー、こんなの書いてたなー」って。 - 情報の責任者(飼い主)の設置
棚卸をする際に、情報の死活を確認する相手が必要です。
異動があっても確認できるよう、部門名を情報ごとに明記しています。
飼い主には責任をもって情報のメンテナンスをしていただきます。
「面倒見られないなら飼わないで!」
「目的の情報が分かりやすい状態で存在する」とするために
これは「分かりやすい文の書き方」という本ができちゃう分野ですね。
たっしーさんの「わかりやすい社内報告書を書く方法 #legalAC | ブログ芝」におんぶしようと思います(^^)たっしーさん、よろしくお願いします。
あと、本田勝一氏の「日本語の作文技術」が超お勧めです。
6. おわりに
以上、情報を必要な人に届けるために行っている工夫について書かせていただきました。
社内に情報が沢山あって、IT企業(情報処理産業)なのに情報が整理できていない~~!
自分の脳みそできっちり覚えておけないので、「誰でも(私でも)見やすく分かりやすくしたい!」と日々思っている次第です。
次はbkremoteさんです(^^)